はじめに
長時間作業していると、袖のボタンなどが原因でデスクの無垢天板にへこみができてしまうこともあります。
ちょっとした傷ならサンディングで目立たなくなることもありますが、約1ミリのへこみは簡単に直せそうにありません。
以前木工教室で教わった方法を使って修復しました。水分を吸収させて膨張させることで、無垢材のへこみを戻すことが可能です。
本記事で紹介する補修方法は、へこみを完全に直せることを保証するものではありません。もし損傷がひどい場合や、ご自身で対応できないときは、ちゃんとした家具職人さんがいる専門店に相談してください。
家具の材質の種類
オイル仕上げの無垢材であればへこみを何とか出来る。
家具の材質についてはこちら。

木の大きさは変わる
無垢の木材は湿度や温度の変化によって変形します。簡単に言えば、水分を吸収して膨らみ、乾燥すると縮むということです。
製品となった木材は、すでに乾燥した状態になっています。
オイル仕上げなら補修は簡単
ウレタン塗装と異なり、オイル仕上げは補修が容易です。ウレタンは表面に保護層ができるため、補修箇所の平滑さを整えるのが難しいですが、オイルには塗膜がないため、サンディングしてオイルを浸透させるだけで、目立たなくなります。
ドライヤーによる補修
小さな傷やへこみであれば、木材に水分を吸わせて膨張させることで、へこみを修復することが可能です。
1. 道具の準備
必要な道具は以下の三つです。補修部分をしっかり平らにしたい場合は、平面のある木片を使ってサンディングします。ドライヤーがなく、アイロンだけしかない場合は、布を当てて温度を調整しても問題ありません。
2. へこんだ個所をサンディング
長時間作業していると、袖のボタンなどが原因で、デスクの木材に約1ミリの段差ができてしまいました。サンディングだけでは修復できず、その後、水を木材に染み込ませる必要があります。ただし、オイル仕上げの場合は染み込みにくいため、へこんだ部分をヤスリで削ります。軽めのへこみなら#400のヤスリで十分です。削りすぎないように注意してください。

3. へこんだ部分に水を付ける
先ほど削った部分に水を一滴垂らします。時間が経つと輪ジミになるため、すぐに次の工程に進みます。

濡れた部分を放置するとシミになってしまうので注意してください。水を付けたら早く乾かす必要があります。
4. ドライヤーをあてて乾燥
水を付けた部分をドライヤーで乾かします。アイロンを使う方法も紹介されていますが、ドライヤーの方が短時間で楽です。アイロンを使用する場合は、布を当てて温度調整してください。
5. サンディングで平にする
#400番のサンドペーパーで表面を整えます。手作業でもOKですが、平面を出したい場合は、小さな木片にサンドペーパーを貼り付けて研磨すると効果的です。手でヤスリをかけると、基本的に平らにはならないため、今回は軽度の凹みなので手作業で行っています。 写真の部分はまだ凹みが完全に戻っていません。しっかり元に戻したい場合は、もう一度水を含ませてください。面倒なので、今回はこれで妥協しています。
6. オイル仕上げ
少しへこみが見えるが、オイルを塗ると目立たなくなります。少し輪じみのように見えるのは、水をつけて長時間放置してしまったためです(失敗)。

オイル塗装後の仕上がりはこちらです。まだ少しへこんでいますが、ほとんど目立たないため、これで完成とします。

ドライヤーを使ったへこみの修復はこの程度が限界だと思います。もし穴が空いた場合は、同じ木材の粉を接着剤で固めてふさぐ方法もあります(これは別の機会にご紹介します)。
まとめ
デスクに傷がついていた時はショックだったが以前通っていた木工教室で教えてもらったこの方法で直すことができた。
調べてみるとアイロンを使ったやり方も見つかったがヘアドライヤーの方が手軽だと思う。
ただし、へこみが酷い場合はアイロンを使って直した方がいいかもしれない。
サンディングした部分に水をつけて長時間放置すると、深刻なシミになるので注意してください。